
SESと派遣は似た職種ですが、どちらの働き方がおすすめですか?



実際は似て非なる職種だよ!SESと派遣どっちがいいか、それぞれのメリット&デメリットを見比べることで分析していこう!
SESと派遣どっちがいい?
結論をお伝えすると、自分に適した働き方を選択することが重要です。
SESと派遣はどちらも客先常駐型のエンジニアなので混同されがちですが、それぞれに特徴があります。
SES | 派遣 | |
---|---|---|
雇用形態 | 正社員 | 登録型か無期雇用型 |
給与 | あまり高くない | 派遣先によっては高額 |
スキルアップ | 運用保守メインだとスキルアップできない | 自分で派遣先を選べるのでスキルアップしやすい |
キャリアアップ | 経験を積めばSES企業内でキャリアアップ可能 | 雇用が不安定で派遣切りの可能性もある |



どちらの働き方にも一長一短がありますね!何を基準としてSESか派遣か選べば良いのですか?



将来ITエンジニアとして、どのようなキャリアを歩みたいのか明確にすることが大切だね!
例えば収入よりも将来的なキャリアアップを重視するなら、SESエンジニアが良いでしょう。
最初のうちは運用保守などの単純作業がメインとなりますが、経験を積むことで徐々に上流工程に携わる機会が増え、転職エージェントを利用して商流が上の企業に転職することも可能です。
一方で、高い収入を得ながらライフバランス重視で仕事をしたいのなら、自由と融通が利く派遣が適していると言えるでしょう。
SESエンジニアと比較して基本給が高く、仕事とプライベートの両立がしやすいので、育児や介護で忙しい方でも働きやすいことがメリットです。
SESのメリット
SESエンジニアには、派遣にはない下記のような利点があります。
ITエンジニアとして「安定」を重視するならば、SESが向いていると言えるでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。
雇用が保証されている
SESエンジニアは企業に属しており、常駐先に労働力を提供する働き方です。
つまり所属企業に正社員として雇用されているため、駐在先との契約が切れても仕事がなくなるなんてことはありません。



客先駐在はあくまで作業する現場の1つでしかない、という認識でしょか?



そのとおり!1つの現場が終われば、次の現場がエンジニアを待っているよ!
腕の良いエンジニアであれば、上流工程に携わることでスキルアップも期待できるでしょう。
安定した収入が得られる
SESエンジニアは正社員なので、毎月所属企業から給与が支払われます。企業の給与水準に応じて月収が保証されているので、エンジニアとしては安定した生活が送れると言えるでしょう。



どれだけ現場作業をこなしても、月収は固定額ですか?



企業によっては、配属先の難易度や、勤務成績に応じて収入額が上がるシステムもあるよ!
毎月安定した収入が得られるとなれば、心にもゆとりが生まれます。報酬額アップの制度が導入されていれば、仕事へのモチベーションも高まるでしょう。
転職を繰り返すことでステップアップが可能
SESは転職を繰り返すことで、下請け企業から商流が上の企業にステップアップすることが可能です。
IT業界は多重下請け構造となっており、商流が上の企業ほどクライアントに近い位置で仕事を請け負えます。下請企業でキャリアをスタートした場合、最初のうちはシステムの運用保守がメインとなります。あまりやりがいのない単調な作業の連続ですが、実績は着実に積み上げていけるでしょう。
業務が一通りこなせるようになれば社内での評価か上がり、徐々に難易度の高い仕事を任されるようになります。そうやって着実にエンジニアとしての市場価値を上げていくことで、大手企業への道が開けてくるのです。



商流が上の企業に属していると、何か得があるのですか?



ITエンジニアとしての格が大きく変わるね!受け取る報酬額だって大きくなるし、責任が伴うやりがいのある仕事だって任せてもらえるよ!
SESエンジニアのステップアップには、転職エージェントを使うことをおすすめします。大手企業の求人数が豊富で、待遇に関する交渉や面接の日程調整なども代わりに行ってくれます。
SESのデメリット
SESエンジニアには、下記のようなマイナスポイントも存在するの要注意です。
環境の変化や人とのコミュニケーションが苦手な方は、心身ともに疲弊してしまう恐れもあるので注意が必要でしょう。
労働環境が過酷なケースがある
ホワイトなSES企業もあれば、当然ですがブラックなSES企業も存在します。



ブラックなSES企業に所属すると、どうなるのですか?



長時間残業や休日出勤など、受け取る報酬に見合わない働き方を強要されるんだよ!
本来、常駐先に出向いたSESエンジニアの労働管理は所属企業が担うことになります。そのため、クライアントが残業や休日出勤を望んでも、企業が交渉してエンジニアを守ってくれることが普通です。
ところが、ブラックなSES企業ですと、クライアントにエンジニアの労働管理を委ねてしまうケースがあるのです。そのため、エンジニアはクライントの指示に逆らうことができず、長時間残業や本来であれば関与するはずのない業務を命じられることになります。
常駐先によっては知識や技術の向上ができない
第4次、第5次などの下請け企業に出向くことで、新たな知識や技術の獲得が難しいケースがあります。



SESエンジニアのメリットに、様々な企業を渡り歩くことでその現場の技術を吸収できるという話も聞きますが?



それも間違ってはいないよ!だけど、業務内容がシステムの運用保守ばかりなら毎日同じことの繰り返しだから、スキルのアップデートは難しいよね!
業務内容に差異がない下請け企業を渡り歩いたところで、結局は同じ技術しか業務に生かすことができません。仕事を通じてスキルアップをしたいなら、少しでも商流が上の企業に配属できるよう、企業に掛け合うと良いでしょう。
数ヶ月で人間関係がリセットされてしまう
客先駐在は数ヶ月程度で勤務する現場が変わりますので、その度に人間関係がリセットされてしまいます。
属する企業は違えど、業務を通じて信頼関係を築いた仲間と別れるのは、精神的にも辛いでしょう。



ずっと同じ現場で仕事をすることはできないのですか?



数年単位で契約してくれるクライアントもいるけど、自分の希望だけではどうにもならないよね!
人間関係などの労働環境を変えたくないのなら、SESから社内SEなどに転職をするのも1つの方法です。また、一生懸命に働くことで、常駐先の企業から引き抜きをしてもらえる可能性もあります。
派遣のメリット
派遣エンジニアには、SESにはない下記のような利点があります。
派遣エンジニアは毎月安定した報酬を得るより、スキルアップや高額報酬を得たい方に向ていると言えるでしょう。それぞれ詳しく説明していきます。
SESよりも稼げる
一般的に、派遣エンジニアはSESよりも高年収だと言われています。ITエンジニアとして高い能力を持っている方なら、給与面で好待遇を受けることが可能でしょう。



なぜSESよりも派遣のほうが稼げるのですか?



SESは企業が選んだクラインアトの仕事しか受けられないけど、派遣は自分の能力に見合った仕事が選べるからだよ!
高い技術と知識を持っていれば、それを生かす現場を自分で選ぶことができます。当然ですが時給の単価も高くなり、スキルアップ次第でさらに報酬額を上げることだって可能なのです。
スキルアップしやすい環境で働ける
派遣エンジニアは、自分が学びたい環境に身を置くことができます。日々進化するIT業界の最前線に挑戦することで、最新技術のインプットとアウトプットを繰り返すことが可能です。



派遣は、そんなに自由に仕事先を選べるのですか?



腕次第だね!トレンドのスキルを駆使して上流工程を請け負う企業はどこも人手不足だから、優秀な人なら仕事はある程度選べるよ!
上流工程での実績を積んでおくことで、正社員への就職活動にも有利に働くでしょう。
ワークライフバランスを整えやすい
派遣エンジニアの大きな特徴は、ワークライフバランスの調整がしやすいことです。育児や介護で長時間働けない方や、週に3~4日の勤務を希望される方には、おすすめの働き方と言えます。



最近の主流である在宅ワークなども選べるのですか?



そういった募集を出している企業に応募すれば可能だね!
また、派遣エンジニアであれば2つの現場を掛け持つWワークも可能です。飽き性の方やスキルを貪欲に吸収した方にとっては、非常に効率的な働き方かもしれません。
派遣のデメリット
自由気ままにキャリアが積めそうな派遣エンジニアですが、下記のような注意点もあります。
場合によっては、金銭的な問題で日常生活が追い込まれてしまう恐れもあるので、詳しく見ていきましょう。
雇用が保証されない
SESとは異なり、派遣エンジニアは雇用が保証されません。企業に属する正社員ではないため、世間的にはやや不安定な立ち位置だと言えるでしょう。



派遣エンジニアはプロジェクト単位で契約するのが一般的なので、次の現場がすぐ見つかる保証もありませんしね!



そうだね!派遣には無期雇用型という勤務形態もあるけど、クライアントが希望してくれない限りは実現できないね!
派遣の勤務体系は、「登録型」と「無期雇用型」に分かれます。無期雇用型はエンジニアとクラインアトの間に契約期間を定めない働き方ですが、同じ現場で通算5年を超えての反復更新をされる必要があります。
気に入った現場が見つかっても、自分の意志だけでは長く働くことができないというのは大きなデメリットでしょう。
派遣待ちが発生する
派遣エンジニアには、企業から募集がかからない「派遣待ち」が発生するケースがあります。登録する派遣会社によっては数ヶ月も仕事が見つからないことがあり、その間は当然ながら無収入の状態となります。



派遣会社から、最低限の収入保障はないのですか?



難しいね!派遣会社としても登録しているエンジニアが働いてくれないと報酬がないわけだから、人のことを気にする余裕はないだろうね!
最新のIT技術が扱えるエンジニアであれば話は別ですが、平凡なスキルしか持たない従来型のエンジニアには派遣待ちのリスクは高いと言えるでしょう。
業務内容でトラブルがあっても守ってもらえない
派遣会社というのは、あくまで企業とエンジニアを結ぶ懸け橋です。そのため、現場に出向したエンジニアがクライアントと揉めても、仲裁に入ってくれないケースがあります。



仕事が始まれば、後はご自由にという感じですか?少々無責任な気がしますね!



派遣会社の中にはアフターフォローも含めて面倒を見てくれるとこもあるけど、基本的にエンジニアとクライアントの問題になるね!
募集内容と実際の業務内容があまりにも違っていたり、現場で理不尽ないじめに遭うなどは話が別ですが、派遣会社がトラブルから全面的にエンジニアを守ってくれることは期待できません。
SESと派遣は似ているようで違う働き方
SESと派遣は混同されがちな働き方ですが、それにぞれにメリット・デメリットがあります。それらを把握することで、自分にはどちらのスタイルが合っているか見えきます。
SESと派遣の仕事は、どちらも転職エージェントなどのサービスを使うことで効率良く探すことが可能です。専門家の視点から的確なアドバイスを受けられますので、自分の理想とする職場探しの大きな助けとなるでしょう。



ITエンジニアとして自分はどのようなキャリアを積みたいか明確にしておくと、就職活動もスムーズだよ!
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