社内SEは楽という話を聞いたことがあるのですが、実際どうなんでしょうか?
現役の社内SE(Mさん)に話を聞いてきたから参考にしてみて。
- PJが変わるたびに、人間関係を構築するの疲れた
- 働く場所を転々とするのはイヤだ
- もう客先常駐はしんどい
こんな悩みを抱えながらエンジニアをしていて、「社内SEは楽だ」なんて聞くと気になりますよね?
現在「社内SEとして働いているMさん」に話を聞き、社内SEは楽じゃないと感じ、後悔していることをこの記事で紹介しています。
先にお伝えだけしておくと、Mさんは社内SEに転職して良かったと思っています。
Mさんの簡単な情報
- 年齢:40代前半
- 家族構成:Mさん、奥さん(共働き)、子供1人
- 住まい:戸建て
- 趣味:釣り、ドライブ
- 経歴:SES→Sier→社内SE→社内SE
- 社内SE歴→約10年
- 会社:700名規模のIT企業で勤務
- 働き方:出勤+在宅のハイブリッド
- Mさんが社内SEは楽じゃないと悩み、後悔したこと
- 社内SEになって良かったこと
- 社内SEに向いている人
- 社内SEに転職して失敗する人
社内SEとしての働きがい、ワークライフバランス、キャリアパスなど、幅広い視点から紹介します。
社内SEは楽じゃないと感じ、後悔・悩んだこと
Mさんが「社内SEは楽じゃない」と感じたことをを紹介します。
IT関連の「何でも屋」になってしまった
Mさんは、入社後に社内で関係するITに関するあらゆる問題への対応を求められています。
社内では、MさんはITの専門家と見られていて、
- パソコン、プリンターのトラブル
- Wi-Fiの接続が良くない
- パソコンのセットアップ、台数管理
- ソフトウェアのアップデート
などなど、ヘルプデスクのような業務も対応する必要が出てきました。
毎日、会社内の人から色んな問い合わせを受けながら、ふと「自分のやりたいことって、こんなことだっけ?」と思い返すが何度も。
このITに関する「何でも屋」としての役割に対して、最初はとても悩み、奥さんに愚痴を聞いてもらっていたそうです。
エンジニアと関係ない仕事もあるってことか・・・
入社後の業務内容は、きっちりと確認しておく必要があるね。
ITに弱い社員とのコミュニケーション
ITに弱い人々とのコミュニケーションは、予想していたよりストレスに感じたとのこと。
IT企業で働いてはいるものの、ITリテラシーが低い方は一定数いて、その方々からの問い合わせに四苦八苦。
例えば、こんなこともよくある話です。
営業:パスワードを何回入力してもシステムにログインできないのですが…
↓
Mさん:入力に間違いがないかご確認ください。解決しない場合は、エラー画面のスクショを送ってもらえますか?
↓
営業:何度入力してもダメなんです。画面のスクショはどうやって送ればいいですか?
↓
Mさん:やり方は、〜〜(方法を説明)
↓
営業:すいません、昔に使っていたパスワードを入力してました。
今までだったら、こんなことは無かったと、過去を思い返し悩んでいたそうです。
ITリテラシーの差がある方とのコミュニケーションは思ったよりストレスに感じていたMさん。
うう・・・これはしんどそう・・・
最初は戸惑ったみたいだけど、すぐに慣れたみたいだよ。
スキルアップの難しさ
社内SEとして広く浅くなっている業務をする中で、実務経験としてのスキルアップが難しいこと。
どうしてもシステムを外部にお願いすることが多いため、下記のような機会が失われます。
- 自分で手を動かす機会
- 実機に触れる機会
- 新しい技術について勉強する機会
そして、今までやることの無かった「社内手続き」に膨大な時間を費やすことに。
やっと承認をもらっても、セキュリティや予算など、各部署の審査を通す必要があります。
「これってSEの仕事じゃないよね・・・」って思ってしまい、悩む日々。
社内SEとして働いて、スキルアップするのは難しいです。
お役所のような仕事・・・
新しい技術は、自分での時間でキャッチアップする必要があるよ。
評価されにくい役割と給料UPの難しさ
Mさんは、社内SEの仕事をしていても思っている以上に、社内から評価されないことに悩んでいた時期がありました。
どうしても売上に直接つながる仕事ではなく、コストとなる間接部門の社内SE。
社内システムを安定稼働させて当たり前、トラブルがあると評価が下がるという、減点方式の評価になりがち。
Mさんが新しいシステムを導入して業務効率が向上した場合でも、その成果が直接的な収益増加に結びつかない場合もあります。
その結果、Mさんの努力が評価されず、昇給に繋がらない。
社内SEの仕事の価値は、社内のITに関する対応、コスト削減や効率向上といった間接的な貢献によるものが多く、定量的に評価しにくいです。
結果として、Mさんの貢献が評価されず、給与アップとなりにくく、後悔したこともあったそう。
評価されにくく、給与も上がらないとなると、モチベーションが・・・
入社前に、評価制度を聞いておくのが大事だよね。
楽じゃないけど、社内SEになって良かったこと
Mさんが社内SEになって良かったことを紹介します。
残業が少なく、ワークライフバランスが良いこと
Mさんが社内SEになって1番良かったことは、残業が減り、ワークライフバランスが良くなったこと。
Sierで働いているときは、夜遅くまで働いていたMさん、心の余裕がホントになかったそうです。
転職サイトdodaの調べでは、社内SEの残業は16時間とエンジニア系で最も少ない結果。
実際にMさんの残業時間は、下記のような感じです。
- Sier時代の働き方・残業時間・休日の過ごし方
-
働き方:朝から夜遅くまで
残業時間:平均80時間/月
休日:とにかく体を休める、寝る、呼び出しもしばしば - 社内SEになってからの働き方・残業時間・休日の過ごし方
-
働き方:9時〜18時
残業時間:平均15〜20時間/月
休日:趣味の釣りをしたり、家族と過ごす時間
プロジェクトの期限、やり取りする範囲が社内で完結するため、残業が少ない要因となっています。
外部クライアントの直接的なプレッシャーが少なく、自分の仕事をコントロールできるのは大きいところ。
社内SEに転職してからは、定時で帰ることの方も多く、本当にワークライフバランスが良くなったそう。
週末に家族と過ごす時間も増えて、元気なMさんの姿をみて、奥様も喜んでいます。
心の余裕って、大事ですね!
ちなみに、有給も取りやすいみたいだよ。
働く場所が固定される安心感
Mさんが2番目に良かったこととして、働く場所が固定されることの安心感を上げています。
Sierで働いていた時、プロジェクトごとに勤務地が変わるのが、非常にストレスだったそう。
Mさんは自宅も購入していて引っ越しができないので、場所によっては通勤に2時間近くかかっていた時も。
社内SEとして働く場合、勤務地は会社のオフィスです。
プロジェクトが終わるごとに、勤務地がコロコロ変わっていたSier時代と違って、安心して働くことが出来ているそうです。
あ〜これはすごく分かります。
エンジニアあるあるだね。
テレワーク(在宅勤務)ができるようになった
3番目に良かったこととして上げているのが、テレワークができるようになったこと。
(Mさんは、週に出勤3日+テレワーク(在宅)2日のハイブリッド型)
Sier時代は、家のことも子育てのことも奥さんに任せっきりで、Mさん自身に申し訳ない気持ちがずっとあったそう。
ただ、テレワークになり通勤時間が無くなったことで、Mさんが家事や子育てに参加できる時間が増え、奥さんが喜んでいます。
テレワークの日は、Mさんが料理をする時もあるとか。
週に2日でもテレワークできる働き方は、Mさんの家族全体で良い変化があったと感じているそうです。
奥さんにまで良い影響が出たんですね?!
家事・育児はホントに大変だからね。
顧客からのプレッシャーがないこと
4番目に上げているのが顧客からのプレッシャーがないことです。
社内SEとしての働き方として、外部クライアントとのプロジェクトではないため、納期に厳し過ぎることが少なく、自分のペースで仕事を進められています。
MさんのSier時代は、プレッシャーで押しつぶされそうになったこともあったとか。
日曜の夜は、憂鬱ですね・・・
自分のペースで仕事ができるのは良いよ!
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社内SEが楽そうだと思っている人が知っておきべき事実
社内SEの業務は、会社によって内容がまったく違います。
大まかになりますが、下記の違いについてまとめましたので、必ず知っておいてください。
会社規模による違い
会社規模の違いによる社内SEの業務内容を紹介します。
小規模企業 (100名未満) | 1人でITに関する何でも屋 |
---|---|
中規模企業 (1,000名未満) | 幅広い業務 (システム導入、運用保守、ヘルプデスク対応) ITインフラ全般の知識 (ネットワーク、サーバー、OSなど) |
大企業 (1,000名以上) | 専門性の高い分野への特化 (ネットワーク、セキュリティなど、技術の専門家) マネジメントスキル (部門間の調整、プロジェクトマネジメン) |
全然求められる内容が違うんですね。
会社にいる社内SEの人数によっても、仕事内容は変わってくるよ。
会社の成長段階の違い
会社の成長段階による社内SEの業務内容を紹介します。
創業段階 (ベンチャー企業) | 新しいシステムの開発 (要件定義、設計、開発、テストなど) 変化への柔軟な対応 (ビジネスモデルやニーズに合わせて、システムを迅速に変更) 新しい技術の習得 (最新の技術を積極的に学び、システムに導入) |
---|---|
成熟企業 (設立20年以上の老舗企業) | 既存システムの運用保守 (システムの監視、障害対応、修正開発など) 安定稼働とコスト削減 (システムの安定稼働) (予算内での、最大限のパフォーマンス) システム運用に関する知識と経験 (ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークに関する深い知識) |
ベンチャー企業とかに行くと、思ってる社内SEの働き方ではなさそう・・・
少なくとも楽だと思って転職したら痛めに合うよ。
業界によって求められるスキルや知識の違い
業界の違いによる社内SEに求められるスキルや知識の違いを紹介します。
金融業界 | 高い正確性と信頼性が求められる 勘定系システム開発の厳密さ 迅速なトラブルシューティング能力 金融システムの知識 |
---|---|
医療業界 | 特殊な医療システムの知識 医療用語や保険制度の理解 ITに関する幅広い業務範囲 |
製造業 | 社内のITインフラ改善・運用 チームで業務を遂行 製造業特有の業務知識(ERP、SCM、CRM等) グローバル化への対応 |
自分の得意領域や興味と合ってないと大変な思いしそうですね・・・
本当にその通り!
給与水準・残業時間・福利厚生の違い
まずは、会社規模による給与水準と残業時間の違いから紹介していきます。
大企業 (1,000名以上) | 中規模企業 (1,000名未満) | 小規模企業 (100名未満) | |
---|---|---|---|
給与水準 | ※役職と経験で大きな差 | 400万〜800万※会社によっての差が大きい | 400万〜600万300万〜500万 |
残業時間 | 少ない傾向 ※プロジェクト次第で多くなる | 少ない傾向 ※社内SEの人数と業務内容で影響 | |
福利厚生 | 充実 | 会社により様々 | 最低限 |
もともと給与水準が高いことやコンプライアンスが厳しいことを考えると、大企業での社内SEが良いように見えます。
ただ、専門性が高く、入社難易度も高いです。
次に、会社の成長段階での給与水準と残業時間の違いについて。
創業段階 | 成熟企業 | |
---|---|---|
給与水準 | 低め ※ストックオプションがあると吉 | ※昇給制度が整っている | 中〜高め
残業時間 | 非常に多い | 少なめ |
福利厚生 | 最低限 | 充実 |
当然、会社を創業したてのころは、どんなことでも対応するため、残業時間は多くなります。
最後に、業界による給与水準と残業時間・福利厚生の比較について。
金融業界 | 医療業界 | 製造業界 | |
---|---|---|---|
給与水準 | 高水準 | 低め | 会社により様々 |
残業時間 | ※決算期や賞与時期は多め | 多め※突発な障害ない限り | 少ない※納期間近は特に | 多い傾向
福利厚生 | 充実 | 最低限 | 良い |
社内SEの働き方は、会社によってぜんぜん違うため、職場選びがめちゃくちゃ大事です。
どこの会社が良いのか分からなくなりますね。
自力で社内SEの求人を探すのは、ホントに簡単なことじゃないよ。
社内SEに関するよくある質問
社内SEでよく聞かれる質問に答えていくよ。
転職で失敗したくない人がやるべきこと
転職で失敗したくない人は、どうすればいいですか?
社内SEになるなら、転職エージェントの利用が間違いないよ。
求人サイトで探して給与などの条件は分かりますが、会社の中の事情は何も分かりません。
- 社内SEは何人在籍しているのか
- 会社内での社内SEの立場
- 募集背景
- 求めるスキル
などなど。
そこを転職エージェントをうまく使って会社情報を集め、入社後の「こんなはずじゃなかった」を無くします。
社内SEの業務内容は会社によって大きく違うため、会社選びがめちゃくちゃ大事です!
失敗したない人ほど、転職エージェントに利用しています。
社内SEにおすすめの転職エージェント
転職 エージェント | 社内SE転職ナビ | リクルートエージェント | |
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